市役所ってどんな部署があるの?現役公務員が解説
こんばんは、ススムです。
今回は、自分の勤め先である市役所のお仕事について紹介したいと思います。
市役所は、とにかく部署が多岐にわたります。異動がすることは、まるで転職するようと形容する職員もちらほらいます。
私たちが一般市民として容易にイメージできるのは、最も接点が多い、住民票の写しの発行や転出入の処理を行う「市民課」だと思います。
では、その他の公務員はどこの部署で何の仕事をするのでしょうか。具体的にイメージできるよう、例をあげつつ紹介します。
1.窓口系
冒頭でも挙げた市民課もここに該当します。
窓口とひとくくりに言っても部門は多く、税務関係、国保関係、子育て関係、高齢者支援関係、生活保護関係など、様々な部署が挙げられます。
市役所によって忙しい部署は変わると思います。転出入が多い市であれば市民課が忙しく、高齢者が多い市であれば高齢者支援関係の部署が忙しいです。
メリットといえば、市民課のような大部屋の部署であれば、お休みがとりやすいことでしょうか。
窓口対応は性質上代わりがきくものなので、市民課など大部屋の部署では男性職員が育休をとることも多いです。
ただ、年度末年度初めはむちゃんこ忙しいです。残業もものすごい時間やっていると聞いています。
2.総務系(官房系)
いわゆる首長(市長)のブレーンとなって働く部署です。総務課、秘書課、人事課、財政課、会計課、広報課、システム課などが該当します。
区長のブレーンなので、責任重大かつ、仕事は忙しいです。特に、財政課は霞が関の世界でいう財務省みたいなものなので、鬼人のように仕事ができて、頭の回転が速く、体力のある職員が多いです。
はっきり言って、民間企業で働いた方が割に合うのではないかと思ってしまいます。
これらの部署に務めている職員は、比較的、配属されてから他部署に異動するまでのスパンが長いとされています。
それだけ専門性が高く、勉強することも多く、モノになるまで数年間はかかるということです。
役所内ではエリートとして見られていますが、(上司の裁量次第ですが)給料は他とあまり変わりませんし、特にエリートとは思いません。
ただ、特権意識をもって、他の部署の職員を見下している職員も一部いることは事実です。残業時間が多いこと、(財務課は)お財布を握っていることを考えると、気持ちはわからないでもないですが・・・。
メリットといえば、やはり出世に繋がる点だと思います。官房系で一定の成果を挙げて、上司に認められれば、昇任試験の際の印象も良いはずです。
3.事業系
都市計画課、観光政策課、環境政策課、産業振興課、スポーツ振興課、農林水産課などの各部署があります。
ポイントは、一人一事業以上を持っているということです。
特定の職員がある仕事の担当を任され、実施計画も整備し、予算を立て、次年度に実施し、結果を精査して改善する。一人ひとりがPDCAサイクルを回していくイメージです。
たとえ新卒職員であっても仕事に制限がかかることはなく、一人一事業を展開し、全員がそれぞれの職務の責任者になります。
替えが利かない仕事なので、とても責任は重大だと思いますが、忙しさはやはり部署によります。事業系は、繁忙期と閑散期の差が激しいのも特徴です。
メリットは、総務系にも共通することですが、専門性が身につくことでしょうか。ただ、ここでいう専門性とは、総務系とは異なり他の部署では応用できない性質のものです。
もし、次の異動で全く畑違いのところに行ってしまった場合は苦労するかもしれません。
また、外の企業や地域団体とのつながりができることもメリットかもしれません。
4.その他
そのほかにも、市役所はさまざまな出先機関があります。図書館や支所(≒出張所)、ごみ収集センターなど、本庁舎とは離れた場所で区政を支えている施設があります。
出先機関はゆるいと言われがちですが、これは完全に運で、上司と市民によります。本当にゆるいところだと、有給休暇を年20日取得できたりするそうですが、都市伝説かもしれません。
以上、市役所の仕事を大枠で4つに分けて簡単にまとめてみました。
まあ、どこも人員削減かつ事務量の増加で現場は疲弊していることは確かです。もうかつてのような天国部署はないのかもしれませんね。
この記事で、少しは市役所の仕事のイメージを掴んでいただけたら幸いです。
【ポイント】
・市役所には、大きく分けて官房系、窓口系、事業系、その他の部署がある。
・どの仕事も責任重大!もはや市役所の天国部署は都市伝説。